格安シングルボードOrange Pi One Plusで高速なNASを構築する
Raspberry Piと外付けハードディスクを使って構築するNASは、Raspberry Piの定番の活用方法として人気があります。
Raspberry Pi 3は安定した公式のOSが提供されており、かつBluetoothとWifiが標準で搭載された素晴らしいシングルボードです。 しかしコストカットの影響なのか内蔵のLANとして100Base-TXを採用しているという弱点があります。 100Base-TXの理論値は100Mbpsで、これは12.5MB/sに相当します。実際にNASを構築してみると11MB/s程度の速度となり、LANがボトルネックになっていることがわかります。*1 これは実用的に使えるものの、少し遅い印象です。
これを解決するために、Raspberry Pi 3のUSBにギガネットイーサのアダプタを付けることで、転送速度の改善を行う方法があります。
Raspberry Pi 3のUSBはUSB2.0ですのでそこがボトルネックになります。実は既に下のLANアダプタによるギガビットLANの転送を試していますが、結論から言えば20MB/秒程度の速度です。
この方法でも良いのですが、せっかく安価なRaspberry Piを使うのに1500円もするギガビットLANアダプタを買うのは悔しい感じがします。*2

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そこで今回は標準でギガビットLANを標準で搭載したOrange Pi One Plusというシングルボードを使って、NASを構築してみたいと思います。
Orange PiシリーズはRaspberry Piによく似たシングルボードで様々なシリーズが展開されています。Orange Pi One Plusは2017年12月に発売された最新のボードです。AliExpressから購入できます。
https://ja.aliexpress.com/item/one-plus-h6-1-android7-0-pc/32848891030.html
Orange Pi One Plusの特徴
メリット
安い
- 20ドルで購入できます。
高性能
- 理論上は4k60fpsの動画を再生できます。(未検証、ただ十分な熱対策を行う必要があると思います)
- 1GbpsのLANを標準搭載している
技適を回避できる WifiとBluetoothを搭載しておらず、電波を発しないため技適に違反しません。法を守って使用できます。
デメリット
USBポートが2.0
OSが不安定
情報量が少ない
- Raspberry Piと比較してコミュニティが小さいので、情報量が少なくなります。
NASの構築
というわけで、このボードを使ってNASの構築を行います。NASの構築はRaspberry Piの方法と同様に、定番のSambaを用います。調べれば多数情報が出てくると思うので詳細は割愛しますが、以下の記事などを参考にすれば良いでしょう。
ただし、Orange Pi One Plus特有の注意点があります。 それは起動時に入力デバイスを外して置かないとエラーでOSのブートに失敗するという問題点です。*3
ハードディスクを起動時に接続しておくのは問題ありません。
上の画像はOrange Pi One PlusとTrancendの外付けハードディスクです。
公式のケースがなかなかかわいくていいですね。
上の画像は実際に速度を計測した結果です。
Writeが43MB/s、Readが25MB/sとなりました。 Raspberry Pi 3でNASを構築したときに比べて、Writeが約4倍、Readが約2倍です。体感速度もRaspberry Piに比べて圧倒的に速いです。 20ドルで購入できるボードでこの速度が出せるのは、なかなかコスパがいいんじゃないかと思います。